結論:介護ベッドは“買う”より“借りる”方が断然おすすめです。

親が、布団から起き上がりづらくなってきたのでそろそろベッドにしようかな

将来に備えて、リクライニング付きのベッドを買っておこうかな
このように考えて家具店や通販などで介護ベッドを買う人は少なくありません。
けれど、介護のためのベッド選びには大切なポイントがあります。
例えば、高さ調整ができないベッドやリクライニング機能だけのベッドは、
いざ介護が必要になったときに本人と介護者の負担が大きくなることがあります。
実際、10万円近くする市販のリクライニング付きベッドを買ったのに、介護が必要になってから使いづらくなり、結果的に費用を払い処分して介護保険のレンタルに切り替える方もいます。
この記事では、介護現場で実際にあった事例を交えながら、
介護ベッドを選ぶときに知っておきたいポイントを分かりやすくまとめました。
大切な人のために、そして介護する人の負担を減らすために。
介護ベッド選びで後悔しないためのポイントを、一緒に整理していきましょう。
起き上がりがつらくなった、と感じるときが考えるタイミング
介護ベッドを考えるきっかけの多くは以下の通りです。
・起き上がりや立ちあがりがつらくなった
・腰や膝に痛みが出てきた
・夜トイレに行くのが大変になってきた
このような場合、介護ベッドは有効に思われます。しかし、ここでいきなり介護ベッドに替えるのではなく、まずは選択肢を考えてみることが大切です。
その理由は、例えば、布団からベッドへ変わると、それまで使っていた体や足の筋力を使う機会が減り、結果的に筋力低下が進む可能性があるからです。
すぐに布団からベッドに変えるだけが正解とは限りません。
普通のベッドでも工夫次第で使いやすくなる方法もあります。
🟢布団またはベッドの横に立ち上がり用の手すりを置く(イラスト参照)
手すりでなくても、安定感のあるテーブルや椅子で代用することもできます。
「起き上がりづらい=すぐベッド」ではありません。
本人のできる動作や体の状態、周りの環境をよく考えてみることが大切です。


市販のベッドが失敗しやすい理由
ベッドにリクライニングの機能があると介護用に使えそうですが、実はそれだけでは不十分なんです。
介護用ベッドの定義(厚生労働省)
サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付けることが可能なもので、
1.背部又は脚部の傾 斜角度が調整できる機能もしくは
2.床板の高さが無段階に調整できる機能のいずれかを有するもの
つまりリクライニング機能があれば介護ベッドと呼ばれますが、実は重要なのは、高さ調整ができることなのです。
この機能がないと、後々要介護度が上がった場合、本人の動作性の低下や介護者の腰痛などにつながっていきます。
例えば、ベッドから立ち上がる場合。足の力が弱い人が立ち上がるためには、ある程度の高さが必要です。特に膝より低い位置から立ち上がるのは大変なこと。
そこで、介護ベッドの高さを上げて立ち上がりをしやすくします。
次に介護をする人について考えてみます。
例えば、ベッド上でオムツを替える場合、介護者は前かがみの姿勢になりケアをします。その積み重ねが腰痛を招きます。
そこで、介護ベッドの高さを介護者に合わせることで、その緩和が図れます。
このように、必要な介護が増えるにつれ本人と介護者の負荷が増えていき、結果的に介護保険で介護ベッドを借りることになる、というケースがよくみられます。
ベッドの買い替え費用や既存のベッドの処分費用(数千〜数万円)が発生することも珍しくありません。
介護ベッドは“借りる”が基本
介護ベッドは介護保険でレンタルできる制度があります。
<原則対象>
要介護2以上の方 レンタル料 1,500円〜2,500円程度(1割負担)
ただし、要支援や要介護1の場合でも、介護保険を使わない「自費レンタル」という形で取り扱う業者もあります。
相場は 月1,500〜2,000円程度。
介護保険のレンタルは、状態が変わればベッドの種類や付属品も柔軟に変更できることが大きなメリットです。特にマットレスは使ってみないとわからないもの。気軽に試せるのもいいですね。
故障や不具合があった場合でも、原則無償でレンタル業者がすみやかに対応してくれます。
介護ベッドを選ぶときに大切なのは「相談」
介護用品は、見た目や価格ではなく、
使う人の状態に合っているかどうかで選ぶ必要があります。そして介護する人が介護しやすいかどうかも大切なポイントです。
そのため、
ケアマネジャー
理学療法士
福祉用具専門相談員(介護保険のレンタル業者)
など、専門家に相談しながら考えていくと良いでしょう。
まとめ
介護ベッドは大きな買い物。
勢いや不安からよく考えずに買ってしまうと、後悔につながることがあります。
✔ まずは今の状態と今後の変化を考える
✔今の布団やベッドのまま工夫する方法もある
✔ 買うより借りる方が安全で柔軟に対応できる
✔ 迷ったら専門家に相談
このように考えるだけで、無駄なく使いやすい介護ベッドを選ぶことができるでしょう。
介護は、急に始まったり、少しずつ変化しながら続いていきます。
だからこそ、“今だけ”ではなく“これから”にも対応できる選び方が大切です。
介護のためのベッド選びで悩んだら、一人で判断しなくて大丈夫。
ケアマネジャーや福祉用具専門相談員など、あなたとともに考え、支えてくれる人がいます。


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