はじめての介護保険 これだけ読めばだいじょうぶ!制度の基本をわかりやすく解説

介護保険 介護の知識

「介護が必要になったら、私が全部やるの…?」
「いくらかかるの?どこに相談したらいいの?」
そんな不安を感じている方、いませんか?

私は、ケアマネジャーとしてたくさんのご家族とお会いしてきました。
みなさん最初は口をそろえて言います――

介護者
介護者

介護保険を使う時に、まず何をすればいいかわからなかった。

そこで今回は、「介護保険ってなに?」という本当に初歩のところから、できるだけやさしくお話しします。


■ 介護保険ってなに?

介護保険は、40歳以上の人が保険料を払って支える、介護が必要になったときの“おたがいさま”の制度です。

高齢や病気、けがなどで日常生活に手助けが必要になったとき、この制度を使うことで、いろんな介護サービスを受けることができます。


■ 誰が使えるの?

基本はこの2パターンです。

① 65歳以上の方
年齢だけで対象になります。
「最近、転びやすくなった」「ひとりでの入浴が心配」という理由でも使えます。

② 40~64歳の方で、特定の病気がある場合
たとえば若年性認知症、脳梗塞の後遺症、末期がんなど――
「介護が必要」と認められたときは、40才以上であれば使えます。


■ どんなサービスが使えるの?

たとえばこんな支援があります。

・ホームヘルパー:掃除や食事、着替えやお風呂などのお手伝い
・デイサービス:日中、施設に通ってお風呂に入ったり、運動やレクリエーションを楽しめる場所
・リハビリ:リハビリができる施設に通ったり、リハビリの専門家が家に来てくれる
・訪問看護:看護師さんが家に来てくれ、普段の健康管理や相談、緊急時の対応など
・ショートステイ:短期間のお泊まり(家族の休養や旅行の時にも使えます)
・福祉用具のレンタル:車いす、歩行器、手すり、ベッドなど

どんなサービスが必要かをケアマネジャーと相談しながら、「その人に合った介護サービス」を選んでいきます。


■ お金はどのくらいかかるの?

介護保険のサービスは、自己負担が1~3割です(収入に応じて)。

たとえば10,000円のサービスを使っても、自分が払うのは1,000円~3,000円くらい。
「思っていたより安くて驚いた」と言うご家族も多いです。

※生活保護を受けている方や、収入が少ない方にはさらに軽減される制度もあります。


■ どうやって使うの?

  1. お住まいの市町村の窓口で介護保険の申請をします
  2. 調査員が自宅を訪問して、本人の状態や生活の様子を確認
  3. 主治医の意見書と合わせて、介護の必要度が決まります(介護認定)
  4. 認定されると、「ケアマネジャー」がついてサポート開始(状況に応じて認定前でもサービスが利用できます)

ケアマネジャーは、介護の「案内人」のような存在。
必要なサービスや、費用のこと、家族の悩みにも寄り添ってくれます。


■ 最後に…

介護に直面すると不安を感じると思います。その不安は介護のことを知ることで少しずつやわらぐと思います。

私が関わってきたご家族の多くは、最初は不安なご様子でした。
それでも、介護保険という制度を知り、ケアマネや介護サービスのを利用するうちに、「ひとりで介護しなくてもいいんだ」と感じられるようになり、少しずつ気持ちが軽くなっていきました。

介護は一人で背負うものではありません。
日本には社会全体で支える仕組みがあります。

あなたやあなたの大切な人が、
安心して過ごせるように――
まずはこの制度のことを、ちょっとだけ覚えておいてもらえたらうれしいです。

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