「介護が必要になったら、私が全部やるの…?」
「いくらかかるの?どこに相談したらいいの?」
そんな不安を感じている方、いませんか?
私は、ケアマネジャーとしてたくさんのご家族とお会いしてきました。
みなさん最初は口をそろえて言います――

介護保険を使う時に、まず何をすればいいかわからなかった。
そこで今回は、「介護保険ってなに?」という本当に初歩のところから、できるだけやさしくお話しします。
介護保険ってなに?
介護保険は、40歳以上の人が保険料を払って支える、介護が必要になったときの“おたがいさま”の制度です。
高齢や病気、けがなどで日常生活に手助けが必要になったとき、この制度を使うことで、いろんな介護サービスを受けることができます。
まげの現場メモ|ケアマネ歴19年19年この仕事をしていて感じるのは、介護保険で何ができるかを知っている方は、ほとんどいないということです。「使うとお金がもらえるんでしょう?」と聞かれたことも、一度や二度ではありません。介護保険は、お金がもらえる制度ではなく、介護のサービスを少ない自己負担で受けられる制度です。知らないのが当たり前の制度ですから、わからないまま相談に来てくださって大丈夫ですよ。
誰が使えるの?
基本はこの2パターンです。
① 65歳以上の方
年齢だけで対象になります。
「最近、転びやすくなった」「ひとりでの入浴が心配」という理由でも使えます。
② 40~64歳の方で、特定の病気がある場合
たとえば若年性認知症、脳梗塞の後遺症、末期がんなど――
「介護が必要」と認められたときは、40歳以上であれば使えます。
どんなサービスが使えるの?
たとえばこんな支援があります。
・ホームヘルパー:掃除や食事、着替えやお風呂などのお手伝い
・デイサービス:日中、施設に通ってお風呂に入ったり、運動やレクリエーションを楽しめる場所
・リハビリ:リハビリができる施設に通ったり、リハビリの専門家が家に来てくれる
・訪問看護:看護師さんが家に来てくれ、普段の健康管理や相談、緊急時の対応など
・ショートステイ:短期間のお泊まり(家族の休養や旅行の時にも使えます)
・福祉用具のレンタル:車いす、歩行器、手すり、ベッドなど
どんなサービスが必要かをケアマネジャーと相談しながら、「その人に合った介護サービス」を選んでいきます。
ひとつ、よくある勘違いを。ホームヘルパーさんは“家政婦さん”ではありません。ご本人の生活に必要な支援を行う専門職で、できること・できないこと(ご家族の分の家事や庭の草取りなど)が決まっています。「頼めば何もかもやってもらえる」わけではないことも、知っておいてくださいね。
お金はどのくらいかかるの?
介護保険のサービスは、自己負担が1~3割です(収入に応じて)。
たとえば10,000円のサービスを使っても、自分が払うのは1,000円~3,000円くらい。
「思っていたより安くて驚いた」と言うご家族も多いです。
※生活保護を受けている方や、収入が少ない方にはさらに軽減される制度もあります。
どうやって使うの?
- お住まいの市町村の窓口で介護保険の申請をします
- 調査員が自宅を訪問して、本人の状態や生活の様子を確認
- 主治医の意見書と合わせて、介護の必要度が決まります(介護認定)
- 認定されると、「ケアマネジャー」がついてサポート開始(状況に応じて認定前でもサービスが利用できます)
※申請には、主治医(かかりつけ医)の意見書が必要です。かかりつけ医がいない方は意外と多いもの。日ごろから相談できるお医者さんを決めておくと、いざという時にスムーズです。
👉 申請からサービスを使うまでのくわしい流れは、介護保険の申請から介護サービスが使えるまでの道のりで解説しています。
ケアマネジャーは、介護の「案内人」のような存在。
必要なサービスや、費用のこと、家族の悩みにも寄り添ってくれます。
まげの現場メモ|ケアマネ歴19年「介護保険はまだ早い」と思っているうちに、状態が進んでしまう方をたくさん見てきました。離れて住む息子さんが毎日通っていたご家庭では、転倒が心配な状態でも「まだ大丈夫」。物忘れも「歳のせいかな」と思ううちに認知症が進み、徘徊や失禁など本当に困る症状が出てから、慌てて申請することになりました。認定には1〜2ヶ月かかります。申請や相談だけでも早めにしておくと、いざという時に慌てずにすみますし、介護する方の仕事や家庭への影響を抑えられることもあります。
最後に…
介護に直面すると不安を感じると思います。その不安は介護のことを知ることで少しずつやわらぐと思います。
私が関わってきたご家族の多くは、最初は不安なご様子でした。
それでも、介護保険という制度を知り、ケアマネや介護サービスを利用するうちに、「ひとりで介護しなくてもいいんだ」と感じられ、少しずつ気持ちが軽くなっているようでした。
それから、「何を聞いたらいいかわからない」という方へ。質問は用意しなくて大丈夫です。私たちケアマネが教えてほしいのは、むしろ「これからどう暮らしたいか」「何がしたいか」ということ。それさえ聞かせていただければ、道筋は一緒に考えられます。
介護は一人で背負うものではありません。
日本には社会全体で支える仕組みがあります。
あなたやあなたの大切な人が、
安心して過ごせるように――
まずはこの制度のことを、ちょっとだけ覚えておいてもらえたらうれしいです。


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